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シリコンバレー留学中にアメリカ株投資をしながら調べたことをアウトプットするブログです。

サンフランシスコのオーガニックブームは日本に来るのか?オーガニックスーパーマケットの現状と戦略を調べてみた!

日本にいると毎年のように海外からいろんなトレンドが入ってきますね。

blue bottle coffeeやshake shackなんかはわけがわからないほど人が並んでいました。

 

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今後日本に来るんじゃないかサービス、お店もpick upしたいということで、

トレンド調査1回目は、数年前から噂されている、オーガニック食料品店のフランシスコ最新事情を数社のanual reportと決算、その他記事から調べてみました。

 

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正直言うと、オーガニックスーパー市場は競争競争競争です。。。。

 

オーガニック市場の成長性

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オーガニック市場は、non-food・foodともに大きく成長しており、2016年には年間売上が$65.8billionまで増えると予想されています。(from Organic Trade Assosiation

そんな中で、各社はどういった拡大戦略を描き、実行しているのでしょうか。

 

 

 

アメリカでオーガニック商品を扱う代表的なスーパーは、以下の会社です。

Kroger                                   (2,781 stores)

Whole Foods Markets         (456 stores)

Safeway                           (over 1,300 stores)

Albertsons                        (over 2,200 stores)    

 

加えて、日本でも馴染みのある大型スーパーマーケット、

walmart              

costoco

ウォルマート・コストコも最近はオーガニックブームにのり、力を入れてきています。(各社Anual Reportより)

 

各スーパーの収益分析

・Kroger

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Krogerはアメリカ最大級の食料品店であり、2781店舗を構える超大型チェーン店です。

売り上げは$109bilion (2015)・営業利益は$3.5billion (2015)でして、3年連続で増収増益を達成しています。

営業利益率も2.7%→2.8%→3.3%と年々良くなってきています。

1店舗平均の売り上げは$39millionです。

 

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・Whole Foods Markets

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Wholw Foods Markets は、店舗数こそ456店舗と少ないものの、オーガニックストアの始まりとも言われており、オーガニックと行ったらwhole foods marketsというブランドが出来上がっているそうです。(数人のアメリカ人友人・先生談)

価格帯は非常に高く、一般市民というよりは健康を気にする富裕層が愛するお店となっています。annual reportにもある通り、高いGDPの州や都市を中心に店舗を拡大しており、カルフォルニアマサチューセッツ・ニューヨークなどに多く存在しています。

 

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好調なKrogerに対して、オーガニックブームのさきがけWhole Foods Markets は、売り上げは増収しているものの、2015年度は強烈な減益となっています。

売り上げは$15billion (2015年度)、営業利益は0.86bilionとなっています。

 

この営業利益の落ち込みは、販売費が例年よりも0.6ポイント程高くなっており、資産の減損と従業員解雇時の退職金支払いが主な原因と記してあります。

しかしながら営業利益率は6.8%→6.6%→5.6%と、年々減少していながらも高い利益率を誇っています。

1店舗平均の売り上げは$33.7milionです。

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SafewayとAlbertsons

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この2社は、当時業界2位であったsafewayが5位のAlbertsonsに買収される形で、統合しています。この2社は非上場でファイナンス情報が公にされていません。しかしながら計2,200店舗を国内に有し、その他グループ会社も10社ほどあることから、オーガニック食品を含む全ての食料品店として拡大を続けています。

 

 

 

各社の売上拡大戦略

それでは各社の売上拡大戦略をreportと最近の記事からまとめます。

 

Kroger

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プライベートブランド商品を1/4以上提供し、価格を抑える。
②クラブカードを作り、殆どの商品のディスカウントを可能にする。
③モバイルアプリを使い、商品の広告やディスカウントを徹底する。
④オーガニック商品を低価格で提供し、他のスーパーと差別化を図る。
⑤従業員に他店よりも多額の給与を払い、サービスを向上させる。

 

増収増益を続けるKrogerは他の会社と比べ、沢山の有益な情報がレポートされています。

特に強みとしているのは、プライベートブランドの提供とloyal programと呼ばれるクラブカードやアプリを使った、顧客との関係構築力です。

高級路線を走るwhole foods marketとは価格でも差別化を行っています。

 

Whole foods Market

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①徹底したオーガニック商品提供を徹底する。
②ハイクオリティーを徹底し、強気の価格で商品を提供する。
③新店舗出店数を増やす。
④"365Everyday Value"という小型プライベートストアを急速に拡大展開する。

 

whole foods marketはオーガニックスーパーの第一人者として、他店とは高価格でありながらも、その安全なブランドを武器に拡大をする予定です。

更にセカンドブランドの拡大を急ピッチで進め、1200店以上の拡大を目論んでいます。セカンドブランドは安く・沢山の人に商品を届けるためとされています。

 

Walmart

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ウォルマートもオーガニックブームに乗り遅れないように、2014年にWild Oatsを買収し低価格オーガニック市場を切り開こうとしました。

しかしながら、その挑戦はなかなかうまくいかず今年の4月末にWild Oatsのブランドを廃止しました。今後ウォルマートはオーガニック商品の提供・拡大を模索しながらも・オンラインでの販売に注力すると述べてられています。

 

 

 

食料品店の近年の戦略まとめ

最後に食料品店を運営する各社の近年における戦略をまとめます。

 

プライベートブランドを多数提供することで、価格を抑え他店との差別化を図る。
②食品購入のチャネルが増えたため(amazonなどのe-commerce)、大手の買収案件が活発化している。
③店舗の小型化が進んでいる。4000種類もの商品を並べても、お客が買いに求めてきているのはたったの30品だ。というように、小型化をすすめてコストを抑え、お客の商品の選別を簡単にする。
④loyal programを強める。系列店のみ使用可のディスカウントカード・アプリ・メールなどを使い、過去の購入履歴から最新商品のリコメンドをしたりディスカウントを強化している。

 

 以上のような調査結果となりました。

オーガニックブームがどうなるかよりも、結局は顧客とのロイヤリティーを高めるサービスだったり、会社を今度は調査してみたくなるという結果でした。

オーガニックの市場は拡大しており、各社とも買収・セカンドブランド構築などを進めているので日本へのオーガニックスーパー到来は近いかもしれません。

 

個人的には店舗の小型化が非常に興味深かったところです。

アメリカではコンビニエンスストアがないので買い物はそこそこ大きいスーパーへ行くしかないというのが現状ですが、もしかしたら今後コンビニくらいの大きさのプライベートブランド店舗拡大が流行ってくるのかもしれないなと思った調査でした。

 

それにしてもなかなか時間がかかってしまいますがどんどん書いていこうと思います。