【Iotスタートアップに迫る(2)】"Dor" エントランスIotデバイスの差別化とは?
前回の"Density"に引き続き、同じくレストランやカフェのエントランスに取り付けるIotデバイスを調べてみようと思います。
前回の記事"Density"と比較して頂くと、同じように見えるIotデバイスも幾つか差別化要素があったりしますし、とれるデータの種類も多少異なりがあります。是非そういった支店で見てもらえればと思います。
siliconvalley-student.hatenablog.com
Dorとは
【会社名・所在地・創立年】
Dor Technologies
(SanFrancisco) founded on July, 2015 (創業1年3ヶ月)
【資金調達】
2015/7…$unknow(ラウンドについても不明)
Investor…Bolt ハードウェア中心に投資しているベンチャーキャピタル (34investments in 30companies) by cruchbase
【Founder】
MIchael Brand...CEO and Co-founder 元Appleでシステムデザイナー・ハードウェアデザイナー
Gregg Golembeski…CTO and Co-founder 元Appleのシステムエンジニア
【サービス内容】
"Destiny"と同じくエントランスに取り付ける客数カウンターです。
まずエントランスの扉にハードを取り付けます。電力は乾電池を使用しています。
自動的に集計されるデータをウェブ上、もしくはスマホ・タブレットのアプリ上で確認することが出来ます。
データは一時間ごとの集客数からカウントしてあるので、どの時間にお客さんが来るのか・どの曜日にお客さんが多く来るのかなどのデータを時間毎、曜日ごとにフィルターをかけて自動的に比較することが出来ます。
多くの小売店やレストランもこういう情報を集計していたとは思いますが、データ収集方法はレジや、定員さんが持っている機械(ハンディー)の手動入力がメインでした。
データ集積から、グラフでの比較まで自動的にやってくれるのは結構なコスト削減になるのではと思います。
【取れるデータ】
<Inside>
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多数のお店のデータ管理が一つのアプリ上で可能
→簡単に所有している全てのお店のデータを見ることが出来ます。
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客数の把握が可能(1時間毎・一日毎のデータ)
→時間毎、曜日毎の客数を見ることが出来ます。
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POS(レジ)のデータとの連動(BETA)
→β版ではありますが、POSと連動させて、来客数の内何人が商品を購入したか、どの時間・どの曜日にどんなカテゴリーの商品が売れているのかのデータをわかりやすく見ることが出来ます。
<outside>
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天気情報の連動
→お店の売り上げに直接影響を与える、天気情報を連動させることで天気の変化に事前に準備できるようにしたり、天気と売り上げの連動関係を把握できるようになります。
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収集データによるアドバイス機能 (BATE)
→近隣のイベント・SNS・過去の収集した情報から、どのようにお店の広告を売ったほうがいいか、何を売るべきか、などをレコメンドしてくれます。(現在はまだβ版ですが、おそらくこのAIが経営判断をレコメンドしてくれる機能が、今後のサービスの核になってきそうです。)
【価格】
価格は、前回の"Density"と比較するとなかなか割高です。
月額$44 (1年単位での購入)でソフトウェア部分・データを取れる他に、ドアに取り付けるハードウェア(センサー)部分が$49 (1個)・ネットワークハブが$99 (1店舗)となっています。
説明動画がこちら。
関係ないですが、どこの会社も必ずと言っていいほど商品のイメージ動画を作ってますし、動画広告市場とか調べてみたいなと思う次第です。Facebook上の海外メディアの記事もめちゃくちゃ動画ばっかり。
Dorに関してはリリースしてほとんど日がたっていないので、海外メディアが特集した記事もあまり見て取れません。
<"Density"と"Dor"の相違点>
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APIの公開の有無
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対象顧客の種類
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ハードウェアの価格(Densityは無料)
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電力(コンセント型と乾電池型)
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提供データ(リコメンド機能)
と言ったところでしょうか。
電力に関して、Dorが乾電池を使っているのを見てマジかよ。。と思いましたが、実際に使われているところを考えると、ワイヤレスのほうが見栄えは良くなりますしデザイン的にはそっちを選択するのだなあと。他の電力取得方法はないんでしょうか・・・?もし何かご存じの方いらっしゃれば教えてください。
APIの公開とレコメンド機能は、どちらも今後導入していくんだろうなという感じです。
近隣イベントや天気情報・SNSのデータからAIが導いてくれる経営レコメンド、一回見てみたいなと思いますね。実は人間の経験ですでに実行されている施策ばかりなのか、はたまた全く考えたこともないようなレコメンドが出てくるのか。
一ヶ月前に参加したカンファレンスで、かのレーカーツワイルさんが、
「5年後には80億人がインターネットに繋がって、何千万もの製品も同時にネットに繋がる現実を割けることは出来ない。」
と熱く語ってらっしゃったのを見ましたので、もっとIotデバイスに関して色んなイベントに出て調べてみようと思います。